タイ式マッサージは、センに沿って圧力を加える手技と、先述の「隠者の鍛錬」の姿勢を基礎としたストレッチのような手技を組み合わせた形で行われます。

(1)ストレッチ

タイ古式マッサージの特徴として、ストレッチが多いことがあげられます。術者の体を使って受けての体に曲げる、反らす、ひねる、など様々な体勢をとらせて、体中の関節を気持ちよく伸ばします。そのユニークなポーズは、インドのヨガの動きを取り入れた「隠者の鍛錬」の姿勢を基礎としています。世界のマッサージの中でこれほど動きの多く美しいマッサージはほかに見られません。この"気持ちよく伸びる"感覚がタイ式マッサージの醍醐味です。

ストレッチの紅葉は、前述のように筋肉・腱、人体の柔軟性を高め、関節の可動性を高めます。特に体表からの押圧では利かすことの困難な体の深部の筋肉も伸ばすことができます。また骨格のゆがみを引き起こしている筋肉の緊張のアンバランスを取り除くことで、歪みの強制も期待でき、柔軟で怪我しにくい体をつくります。


また、タイ式マッサージのストレッチで注目したいのが、術者へのストレッチにもなるということです。これは術者もヨガのような動きをとるためで、タイマッサージが「2人で行うヨガ」と言われるゆえんです。家族やカップル同士で行うことで、二人の精神的な結びつきが深くなったと感じる人もいます。